東京地方裁判所 昭和38年(ワ)4145号 判決
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〔判決要旨〕借地上の建物を譲渡担保に供し第三者にその所有権を移転すれば、他に特別の事情がないかぎり、その敷地を第三者に使用させたことになると解すべきである。
〔事実と争点〕原告はその所有の本件土地を、被告日本特殊写真工業株式会社に対し、仮工場建設の目的で期間を一年六月と定め、借主が第三者に右土地を使用させたときは催告を要せず契約を解除できる約で、使用貸した。被告日本特殊写真工業はその地上に本件建物を所有していたが、昭和三七年一二月一日被告東亜産業株式会社に対し、売買による所有権移転登記を経た。そこで原告は、被告日本特殊写真工業が本件土地を第三者たる被告東亜産業に使用させたものとして、本件使用貸借契約を解除して、本件建物収去ならびに退去、本件土地明渡を永めたが、被告らは、本件建物の売買登記は単に東亜産業に譲渡担保に供したためにすぎず、契約違反にはならないと争つた。
〔判決理由〕………を綜合すれば、本件建物が被告日本特殊から被告東亜に対し結局譲渡担保に供されたものであることが認められるところ、地上建物を、担保目的であるにせよ第三者にその所有権を移転すれば、すなわち譲渡担保に供すれば、他に特別の事情のない限り、その敷地たる土地を第三者に使用させたことに該当すると解すべきであるから、本件使用貸借契約は、前示解除の意思表示によつて、昭和三八年二月九日に解除されたものといわなければならない。(田中良二)